頻回授乳との戦い~母乳育児の思いと新生児期~

授乳中

息子はもうすぐ2歳になりますが、いまだに頻回授乳です。

新生児期からすごく授乳大好きな子で、育児の悩みの大半が「頻回授乳」に関することといっても過言ではないかもしれません。

今回は、出産前の授乳のイメージと、実際の頻回授乳の体験談についてお伝えしようと思います。

結果的には、母乳分泌少なめのスタートでしたが頻回授乳によって完全母乳にすることができました。

ただ、本当にこれでいいんだろうか??と悩み続けた新生児期だったので、頻回授乳で悩んでいる方が自分だけじゃないと思ってもらえたらいいなと思ってます。

こんな人におすすめ

☑︎頻回授乳の実際の様子が知りたい方

☑︎頻回授乳で悩んでいる方

☑︎出産直後から1ヶ月までの授乳の変化が知りたい方

助産師の私の授乳に対する思い

学生時代、母乳の仕組みに感動したことが助産師になった大きな理由の一つになっています。

妊娠中から母乳が作られるのに、胎盤のホルモンが分泌しないように止めていて…

出産して胎盤が出ると、母乳が出るようなホルモンバランスに変わって…

赤ちゃんが吸う刺激で母乳が作られ分泌される…

オキシトシンやプロラクチンの働きってすごい!!!

そして、免疫たっぷりで赤ちゃんを守ってくれる母乳ってなんてすごいんだ!!

と感動したんですね。


それがきっかけで、私は助産師になり、母乳育児支援を頑張っている病院・クリニックへ就職して勉強してきました。

母乳育児は軌道に乗るまでは大変な面もありますが、やっぱり母乳の良い面もたくさん感じていたので、自分が出産したら、可能な限り母乳育児を頑張ってみたいと思っていました。

ちなみに「可能な限り」というのは赤ちゃんに負担をかけない範囲で、という気持ちです。

何度か、完全母乳へのこだわりが強く、赤ちゃんの体重が減っていて、ミルクを補足した方が良いような場面でもミルクを拒否する方に会ったことがあります。

母乳を頑張りたいという気持ちはもちろんありますが、そのせいで赤ちゃんの体重が減りすぎたり、黄疸が強くなったりするようなら、適切にミルクを補足しようかなとは考えていました。


出産直後からの頻回授乳の大切さは、自分も助産師として妊婦さんや産後のママに伝えてきたことですが、授乳は1日8回以上、赤ちゃんに合わせて授乳すると1日12~13回ということも多かったです。

仕事での関わりは妊婦さんから産後1か月がメインだったので、1か月健診が過ぎたママと赤ちゃんに関わる機会は少なく、1か月以降どのような授乳をしているのか、知る機会はほとんどありませんでした。

そのため、漠然と1歳くらいには、授乳は寝かしつけの時くらいに減って1日1~2回になるものだろうと思っていました。

助産師1~2年目で参加した育児クラスの時に、生後8か月の子が夜中も2~3時間おきの授乳で、これっていつまで続くんでしょうか…と質問しているのを聞いて、そんなに授乳する子もいるんだ!とびっくりした記憶もあります。

出産直後から始まった頻回授乳!

自分の母乳が出るかどうかもわからないし、赤ちゃんが上手に吸ってくれるかどうかもわからないし、まずは赤ちゃんの「ほしがるだけ」にとことん付き合ってみよう!という気持ちでスタートしました。

分娩当日

さて、実際生まれてみると、分娩台で上手に吸ってくれました!

出産当時、病棟満床で人も少なかったのか、出産後の最低限のケアが終わると助産師さんはいなくなってしまって、赤ちゃんと2人きりでした。

助産師ということもあってか、授乳はご自由にどうぞという感じだったので、分娩室にいる間、ほとんどずっと吸ってました。(左右3往復くらい)


赤ちゃんの小児科診察で連れられて行って、戻ってくるとまた泣いていて授乳。

分娩当日の夜は20時から朝7時まで毎時間授乳

ベビーベッドにも寝てくれず、ずっと添い乳&添い寝でした。(窒息には気を付けていました。)

授乳が終わって寝てくれたかな…とそーっと寝かせてトイレに行くと、戻った時にはもう泣いています。

ご飯もずっと抱っこで食べていました。

生後1日目

1日目は授乳20回/日。

大体、毎回左右2往復飲んでいて、30〜40分かかっていたので一日の約半分は授乳しているイメージですね。

おしっこが12時間出ていないということで、ブドウ糖を足し始め、20ccを4回ほど足しましたが、それで泣き止むこともなく、ブドウ糖の後は〆のおっぱい!と、とにかくとことん飲み続けました。

私も、今思えば産後ハイもあったのか、助産師さんから「ミルクもあるよ」「預かろうか?」と言われても、今は辛くないのでもう少し頑張ってみます!と答えていました。

産後のママには、「出生後2時間くらいは覚醒し、その後丸1日くらいは赤ちゃんはうとうとしています…」と説明することが多いのですが、うちの子の「うとうと」はどこへ行ってしまったのか??と疑問でした。

生後2~3日目

2~3日目は夜2時間程度寝てくれることもあって、うんちおしっこもしっかり出ていました。

3日目で体重増加はー7.9%、黄疸も問題なく頻回授乳で頑張っていましたが、飲めている量を測ってみると2g、もう一度測ると0g。

「やっぱりそうだよね」という思いと、

「こんなに頑張って頻回授乳していても、まだ分泌増えてこないんだ…」とちょっとがっかりする気持ちでした。


でも、飲めてない割には体重の減りもそこまで大きくないし、黄疸も大丈夫だし、もうちょっと頑張ってみてもいいかなと思いました。

ただ、私が出産した施設は小児科医がおらず、もう少し様子見てもいいけど赤ちゃんが具合悪くなるのは心配(なのでミルクを足した方が安心)と言われ、悩みました。

必要ならばミルク、と思っていたけどこれは必要なミルクなのだろうか??とすごく葛藤はありましたが、なんせ赤ちゃんは授乳しても泣き続けているし、退院する頃にはミルクやめられるかもしれないと期待して、母乳分泌が増えてくることを期待して、3日目の夜だけ3時間毎にミルクを足してみました。

結局ミルクを足しても泣き止まず、授乳→ミルク→授乳…とエンドレスでしたが(笑)


夢の完全母乳。

私には叶わなかったのか…と切ない気分にもなりましたが、なんせ授乳20回弱もしていて満身創痍。

やれるだけのことはやった、という思いでした。

(結局ミルクを足したのは一晩だけだったので、厳密には違いますが個人的には完全母乳と思っています。)

生後4日目

2日目くらいから痛みが出始めていたんですが、この頃からもう、授乳が激痛です。

乳首が痛いというより、肩甲骨のあたりから、全身がビリビリ燃えるような感覚です。

乳頭損傷(乳首のキズ)はそんなにないと思っていましたが、よくよく見ると全部が真っ赤でキズになっているようでした。

ただ、痛みの原因はキズよりも乳房緊満感、張る感じによるものだったようです。

(助産師さんに張ってるねと言われるまで、自分のおっぱいが張っていることにも気付きませんでした。)

4日目には8g、16gと飲めるようになり、おっぱいの張りも出てきてこれから分泌も増えてきそうだし、赤ちゃんの体重は50g増えていて、翌日の退院に向けて、頻回授乳で頑張ってみることにしました。

生後5日目(退院の日)

5日目、飲める量は28gでしたが、排泄回数も多く、赤ちゃんの体重も20g増えていたので、母乳のみで退院することになりました。

個人的には、母乳のみでいくなら40~50g程度、少なくても30gは飲めていてほしいなという気持ちがあるので、哺乳量28gでの退院というのはすごくギリギリラインだったと思います。

実際助産師さんからも、私が助産師だから自宅で異常があれば気付けるだろうという前提での退院許可だったようで、普通のママだったらミルク足してとお願いしていましたと言われました。

産後の体重チェックを早め予約して、退院することになりました。

退院後~1か月まで

退院後4日後、体重チェック

さて、自宅に帰ってきて、ゴクゴク喉をならして飲む様子も出てきて、夜も2時間毎ではありますが、少しずつ寝てくれるようになってきました。

退院4日後のフォローでは哺乳量40gで排泄回数も黄疸も問題なかったですが、赤ちゃんの体重は10gしか増えていませんでした…。

本来この時期は1日20~30g程度増えるので、明らかに足りませんでした。

何回でも授乳付き合うぞ!!と気合入れて頻回授乳していたんですが、担当した看護師さんからは「授乳回数多すぎて、赤ちゃんの消費カロリーが多くなっちゃうし、ちょこちょこ飲みだと胃袋が大きくならないから、赤ちゃんも休ませてあげて!」と言われてカルチャーショックでした。

これまで、ママが休めるようにと配慮はしても、赤ちゃんを休ませてあげるという気持ちは全然なかったんです。

そっか…私じゃなくて、休ませるべきは赤ちゃんだったのか…。

頑張らせすぎてごめんよ、という気持ちでした。

とはいえ、とりあえず、母乳が飲めるようになっては来ているので、2週間健診まで母乳のみで様子見になりました。

2週間健診まで

その後、看護師さんのアドバイスを基に、泣けば授乳じゃなくて、あやしたりとか他の方法も試そう!と色々やってみましたが、抱っこしてものけぞって大泣きし、エサを求める魚のようにパクパクと口を開けておっぱいを探します。

一時期パックリ口をあけるシシャモが授乳を求める息子のようで、食べられなかった記憶があります(笑)

これが母乳を求めるサインじゃなくてなんなんだ!?うちの子は授乳を求めてるんだ!と開き直って、結局頻回授乳してました。

家でも哺乳量測れたらな…とベビー体重計のレンタルも検討するくらい、毎日無事体重が増えていますようにと切実に祈っていました。

(体重計はレンタルでも届くまで数日かかることから、測りたい時期が過ぎてしまうと考えて断念しました。)


ちょっと顔がふっくらしてきたかな?体重も増えてるはず…。

うんちもおしっこもしっかり出ているから、飲めてるってことだよね??

そんなに黄色くないから黄疸は大丈夫そう…。

と疑心暗鬼になりつつ、自分を励ましながら乗り切った日々でした。

2週間健診

生後14日目、前回の体重チェックから5日後に2週間健診がありました。

1日あたり38g増えていて、出生体重も超えていました。

2週間健診までに出生体重まで戻るのが目安…と産後のママによく説明していたので、そのラインを超えられて本当に安心しました。

ごくごく飲めていたので、哺乳量は測りませんでした。

(哺乳量を測る機会はその後なく、結局哺乳量40gが私のMAX記録になってます。実際はどれくらい飲んでいたんでしょう。)

その後も、1日15回前後の授乳、おしっこ20回うんち10回…という感じが続き、ずっと授乳かおむつ交換しているという感覚でした。

1か月健診

1か月健診では2週間健診から1日あたり45g増えて、顔も大分ぷっくりしてきました。

やっと、このまま母乳でいけるんだと心から思えた瞬間でした。

この頃もまだ授乳回数は減らず、1日14~16回で夜中は2~3時間おき、日中は1~1時間半おきという感じでした。

いつ減るんだろう?

2~3ヶ月で軌道に乗るとよく聞くけど、そのころには授乳回数も8回くらいに減るかな?

とこの頃は思っていました。

……が、まだまだ甘かったです…。(その後の話は、また後日。)


「頻回授乳」と調べると、赤ちゃんは泣いたらすぐに飲ませるので頻回授乳でいいんですよ、という答えもありますが、授乳後にすぐおっぱいをほしがるのは分泌が足りていない可能性があります、というような答えが出てくるんですよね。

私はかろうじて母乳メインでいけているだけで、おっぱいがとてもよく出る方ではないことは自覚していましたし、頻回授乳なのは自分の母乳分泌が少ないからだ、と思っていたので、

もっとお腹いっぱいになるくらいおっぱいが出ればいいのに。

それで、飲んで満足してくれるようになればいいのに…。

とずっと思っていました。

どうやら分泌の問題ではなく、息子のおっぱいへの欲求が強すぎるのでは?と気付いたのはずっと後のことです(笑)

おわりに

今回は私の頻回授乳・新生児期編を綴ってみました。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

もし私が助産師じゃなかったら…

もし私が強く母乳育児を希望していなかったら…

もし産後体調が悪くて頻回授乳が難しかったら…

など「もし」何かひとつでも違っていたら授乳の方法は変わってきたかもしれません。

他の方法や対策もあったのかもしれません。


正直、これだけの頻回授乳だったら、毎回じゃなくても時々ミルクを足して休むという選択肢もあったと思います。

こんなに大変そうならミルクの方がいいんじゃない?と思った方もいるかもしれませんね。

私はスパルタの頻回授乳を勧めるつもりはありませんし、授乳は楽しい時間であってほしいと思っています。

母乳は大変だから無理せずミルクの方が楽!ということではなく、母乳のメリットも知った上で、授乳の方法を考えてほしいなと思っています。


私は母乳の良さをたくさん知っていて、母乳育児をしたい!という思いが強くあったので、1日20回近くの頻回授乳でも乗り切ることができました。

時間をみてあげるミルク授乳に比べて、完全母乳の授乳では息子と2人でおっぱいを育ててきたという実感はすごくあり、大変なこともありましたが頑張ってよかったなと思っています。


助産師として、一人一人のママがどんな授乳方法にしたいか、どこまでの頻回授乳なら受け入れられるか、それに寄り添えるようなサポートができればいいなと思いました。

1ヶ月以降の授乳についてもまた更新しようと思っていますので、気になる方はぜひInstagram(@mw_ayaka)をフォローして更新通知をお待ちくださいね!

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