病院?クリニック?自分に合った出産場所を選ぶポイント!

妊娠中

今回は出産場所についてのポイントをお伝えしていきます!

周りの人に聞くと「評判がいいから選んだ」「知り合いがそこで産んだから」「ご飯がおいしいみたい」など病院を選ぶ基準は人それぞれのようです。

出産は母子の安全に関わる人生の一大イベントなので、自分に合った病院・クリニックを選ぶことが大切です。

病院とクリニックそれぞれで働いてきた経験を生かして、それぞれのメリットデメリットをお伝えしていきます!

どんなところで出産できる?

出産場所には、病院、クリニック(病床数が19床以下)、助産所、自宅分娩などの選択肢があります。

※山形では出産を取り扱う助産院がないので、助産所や自宅分娩はできません。

また、オープンシステムと言って、近くのクリニックで妊婦健診を受けて、出産は大きな病院でというシステムを取り入れているところもあります。

妊婦健診はできても、分娩は他の病院で…と書かれているクリニックもありますので、事前に確認してみましょう。

それぞれの特徴

病院

病院はスタッフの人数が多く、色んな人が関わることが多いと思います。

外来と入院中でもスタッフが違いますし、入院中も3交代で入れ替わるので、なかなか同じ人と会わないこともあります。

その分、それぞれの専門職がいるので色んな意見を聞くことができるというメリットはあります。

設備などもクリニックより充実しているので、母親自身や赤ちゃんにリスクがある場合は病院で出産することをおすすめします。

母親自身のリスクとしては、高齢出産、高血圧や糖尿病その他の持病がある、BMI30以上などです。

赤ちゃんのリスクとしては、赤ちゃんが小さめ、双子や三つ子の妊娠、何か妊婦健診で異常が見つかった場合などです。

総合病院の場合だと、母体に何か異常が見つかった時に他の科との連携がスムーズだったり、

赤ちゃんに何かあった場合に出産後そのまま小児科でフォローしてもらえるなどのメリットもあります。

クリニック

クリニックは病院より小規模な分、アットホームな印象のところが多いです。

外来で話したことのあるスタッフとお産の入院の時に会って、安心出来るなんてこともあるかもしれません。

医師の数も2〜3人のことが多く、顔見知りになった医師にお産を担当してもらえると安心感があります。

ハイリスクの妊婦さん、赤ちゃんへの対応は施設によってどこまで対応できるかが異なっているため、

クリニックでの出産を希望していても、何か心配なことが見つかると病院に紹介になり、そちらでの出産となることもあります。

入院する部屋や食事などは病院より充実していることが多いです。

考えてほしいポイント6つ!

家からの距離

妊婦健診は最初は4週に1回の間隔ですが、だんだん間隔が狭くなり、出産間近になると毎週通院しなければなりません。

何か心配なことが起こった時や、いざ陣痛や破水で入院するときも、受診するまで時間がかかりすぎると心配です。

遠くても1時間以内に通える場所だといいと思います。

ハイリスクへの対応

それぞれの特徴でも書きましたが、施設によってどこまでの病気に対応できるかというのが異なります。

例えば37週より早くお産になり、赤ちゃんが小さい場合などNICU(新生児集中治療室)に入ることがありますが、クリニックにはNICUがないので、病院に救急搬送または転院などになると思います。

山形では山大大学病院、済生病院、県立中央病院などでハイリスクの対応をしています。

母児同室をしているか

母児同室は、赤ちゃんにも母親にも問題がない時に生まれてすぐから赤ちゃんと一緒に過ごすことです。

母乳育児のためにも一緒に過ごして、赤ちゃんの起きるタイミングを知ることが大事ですし、

育児の手技も赤ちゃんと一緒に過ごすことで学べます。

基本的に母児同室のところもあれば、希望制という施設もあるので、どういう方針か調べたり聞いてみたりすると安心です。

入院中だけでもゆっくり休みたいという人もいれば、赤ちゃんとたくさん過ごしたい人もいると思うので、希望に合う施設が見つかるといいですね。

母乳育児への取り組み

これも施設によってかなり差があります。

山形市の済生館ではBFH(赤ちゃんにやさしい病院)の認定をもらっているので、母乳希望の方にはおすすめです。

母乳推進している病院は厳しいという噂を聞くこともあると思いますが、

母乳は軌道に乗れば楽なことが多く、その後の育児を考える上で入院中にしっかり学べるというのは大事かなと思います。

特に母乳育児は出産後すぐからの頻回授乳が大切です。その大事な時期に、知識のあるスタッフから指導を受けられるかどうかというのは、その後の授乳に大きくかかわってくると思います。

⇒母乳希望なら知っていてほしい!「母乳育児成功のための10か条」についてはこちら

無痛分娩希望の場合、可能かどうか

無痛分娩を希望する場合ですが、こちらも施設によって差があります。

そもそも無痛分娩をしていない施設、日中のみの対応で夜陣痛が来たらできない…など色んなパターンがあるので、

希望する場合は事前に確認しておきましょう。

入院中の食事

助産師としては、ご飯で病院を選ばないで!と思っていたんですが、

自分が出産してみて、ご飯が美味しいってすごく大事だなと思いました(笑)

入院中は娯楽がないので、ご飯の時間を楽しみに過ごしていた思い出があります。

天童の「さとうウィメンズクリニック」は東根市の人もよく出産していますが、ご飯が美味しいと評判です。

里帰りの場合

出産前後に実家に帰って家族のサポートを受ける「里帰り分娩」を選ぶ人もいます。

まずは妊娠が確定した時点で、里帰り先(実家近辺)で出産できるかどうかを確認しておいた方が安心です。

ギリギリでも受け入れてくれる施設もありますが、早いうちに申し込みしないと受け入れしてくれないということもあります。

病院の指導にも寄りますが、遅くても34〜35週くらいまでには里帰り先に帰っておくことをおすすめします。

予定日より早くお産になってしまった場合もあるので、ギリギリにならないように里帰りして出産する施設で妊婦健診を受けることが大事です。

また、出産後も2週間健診と1ヶ月健診の2回は少なくとも病院に通う必要があります。(赤ちゃんの体重チェックなどでもっと多い場合もあります。)

実家からの距離も考えておきましょう。

おわりに

山形では天童市民病院、北村山公立病院、寒河江のすまいるレディースクリニックなど分娩の取り扱いが終了になった施設も多く、

お産できる場所が限られてきている現状です。

今回の記事を参考にして、自分のニーズに合った出産場所を選んでいただけたら嬉しいです。

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