今回は『男コピーライター、育休をとる。』の本の紹介です!
2021年6月にはWOWOWでドラマ化もしていた作品です。
我が家は夫が1か月育休を取得しました。その時の体験談はこちら↓
その当時も夫から心境の変化など聞いていたものの、男性目線の育休の話は珍しいなと思い読んでみました。
本の紹介
この本は、コピーライターとして電通で働いている男性が育休を取った体験談です。
せっかくだから体験談のコラムを書こう、ということで連載された内容が元になっている本だそうです。
育休を取って、どう思ったり感じたりしたのかというのが率直に書かれていました!
そしてコピーライターなので小ネタが満載!(わからないネタも多かったですが、それもまたわからないなりに面白いです。)
読んでいて、子どもが生まれたばっかりの時はこうだったな…と思い出したり、共感することも多かったです。
また、男性目線で「育児のイメージ」と「現実」のギャップを目の当たりにしていく様子が新鮮でした。
「今一番欲しいものはおっぱい」という切実な願いに、これは確かにがっつり育児に関わってきた人の言葉だと感じました(笑)
男性の育児というと、父親でもこんなことが出来る!とキラキラした面に注目されがちですが、
この本はむしろ「育休を通じて自分のできなさや妻の偉大さに気付いた」という部分にかなり触れられていて、
上辺だけのキラキラした話ではないところにも好感をもてました。
育休を終えて、「『やり切った感』がなさすぎる。」という感想を持つ魚返さんに親近感いっぱいでした。
目次
第1章 育休を開業しよう
第2章 おっぱい、ウンチ、そして育休
第3章 育休への道
第4章 乳母車で街へ出る
第5章 わが家の保活体験記
第6章 5つの育休Q&A
第7章 育休の終わり、すべての始まり
第8章 「イクメン」にはうんざりだけど
第9章 育休から戻ってみたら(前篇)
第10章 育休から戻ってみたら(後篇)
第11章 隠れ子ども嫌い
第12章 続・わが家の保活体験記
第13章 デイアンドハーフの育児休暇
…目次だけでも、育児の現実を見てきた感じがすごく伝わってきて面白いです。
印象に残ったところ
夫婦で赤ちゃんのかわいさを共有できる喜び
「いまの見た?」「見た見た!」とか言い合える。むしろこの共有こそが黄金だったりして、(中略)赤ちゃんの言動の面白さって、その場にいなかった人にあとから伝えにくいものばかりだから。
本当に、共感です。
特に言葉を話せるようになる前の赤ちゃんの、なんとも言えないふにゃふにゃした言葉のかわいさって再現しきれないですよね。
私も毎日夫に今日の息子の様子を伝えてはいました。
でも、育休中は一緒にいることで、たくさん息子のかわいい面に気付いたり、毎日の成長の様子を実感できる度合いが全然違っていたようでした。
飽きちゃうほどルーティン『繰り返す』ことの不自由
「育児って忙しい」と誰かが言うとき、それはイベントが目白押しの忙しさとは違って、逆説的だけど「飽きちゃうほどルーティンを繰り返す」ことの不自由をいっているんですね。
この言葉は、私が育児に対して思っていたもやもやを言語化してくれて、すごくすっきりしました!!
私も育児の忙しさって、バタバタとやることがいっぱいあって忙しいイメージが強かったです。
飽きちゃうほどのルーティン、そして同じことを繰り返す中で少しずつ少しずつ成長が感じられる、というのが育児の本質だなと思います。
育休中は「一人になれる時間」をほぼ失っていた
復職してみて痛感したことのひとつに、育休中は「一人になれる時間」をほぼ失っていたんだなということがある。(中略)広告の仕事というのは一見、人まみれではある。(中略)でもそのあいだ、頭や手足を自分のために使うことができるという意味において僕たちは、一人になれているのだった。
私も、仕事復帰して「自由だ」と感じました。
もちろん仕事はあるけど、自分の好きなタイミングでトイレに行けて、ゆっくりご飯が食べれて、自分のペースで物事を進められる喜び…。
その感覚が久しぶりすぎて、育児中いかに自分のことが後回しになっていたのかを痛感しました。
「頭や手足を自分のために使う」って、当たり前すぎますけど、育児中ってそれが出来なかったんですよね。
ちょっと考え事してると子どもが泣き出して中断され、何かしたいことがあっても抱っこしながらじゃないと進まない、授乳中はすぐ目の前にある物に手を伸ばすのも必死。
結構不自由な生活ですよね。
子どもはかわいいです。
それは間違いないですが、たくさんの不自由さがあったことも本音だなと思いました。
仕事復帰してそれを感じた魚返さんも、きっと同志です。
おわりに
この本は男性の育休の体験談の話ではありますが、女性の私が読んでいても共感できることがたくさんありました!
あんなに大変だと思っていたのに、赤ちゃんの頃の育児の大変さはすでに過去のことになりつつあります。
出かけた時に、息子より小さい子を見ると、(そんなに前のことではないのに)懐かしい…なんて思ったりもします。
本の中でも、「育児をしているとよその子にわが子の(ひいてはわが家族の)過去と未来を幻視してしまう」と書かれていて、「そこらじゅうに過去と未来」が見えちゃう育児ってすごい体験だなと思ったりもしました。
この本では、育休の体験談で育休を取る人を増やそう!という風には書かれていません。
育休を「一人の職業人兼家庭人としていい感じにグレードアップするためのひとつの研修のようなものとして捉えなおす必要があると思う」
そして、「取る・取らないが等しく当たり前の選択になると良い」と言っていました。
妻が育児していて夫が仕事の合間に手伝う、というのと平日もみっちり一緒に過ごして育児をするというのは全然違う体験だと思います。
男性も育児に関わって価値観が変わるきっかけが出来れば、世の中がもっと育児しやすくなるのかな…なんて思いました。
肩ひじ張らずに読める本ですので、育休に興味ある方はぜひ手に取ってみてくださいね!
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