母乳を続けていく中で時々問題になるのが、薬を飲む時どうする?ということです。
ママ自身の病気や薬の内服を機に断乳・卒乳したという話も聞きます。
今回は、気になる「母乳と薬」について説明します!
母乳と薬について
授乳していると薬は飲まない方がいいという印象を持っている方もいるかもしれませんが、
ほとんどの薬は授乳中でも安全に使用することができます。
母乳は血液から作られますが、大切なのはどれくらい薬が母乳へ移行するのか、というところです。
例えば、痛み止めや風邪薬、抗アレルギー薬などは母乳への移行が少ないため問題なく内服できます。
国立生育医療研究センターによると、明らかに授乳に適さない薬は、
- ヨウ化ナトリウム(ヨードカプセル-123)
- ヨウ化ナトリウム(ヨウ化ナトリウムカプセル)
- コカイン
- アミオダロン(アンカロン)
…とあります。
また、抗がん剤についても安全性が確認されていないため、原則禁忌と考えられています。
薬剤の投与量が多いと、母乳中に移行する量は多くなります。
また、経口投与に比べて、吸入や点眼、点鼻、皮膚への軟膏塗布など、局所で使用する方が血液中の濃度が低く、母乳中に移行しにくくなると言われています。
初めて使う薬や、長期で使用する必要がある薬については、薬の量や授乳の状況に応じて、授乳が継続できるかどうか確認できると安心ですね。
薬について情報を得る方法
診察を受けた医師に確認する
まずは受診して薬が処方される時に、授乳が可能かどうか相談できるのが一番です。
医師によっては母乳について詳しくなく、「一応やめておいて…」と言われることもあるかもしれませんが、
その時は、他の手段で授乳が継続出来るかどうか調べることをお勧めします。
薬剤師に相談する
医師に確認できなかった場合やドラッグストアなどで薬を購入する場合、調剤薬局やドラッグストアの薬剤師に確認することもできます。
国立生育医療研究センター
医師や薬剤師に聞くことが難しい場合、信頼できるところからの情報を得ることも大切です。
国立生育医療研究センターでは授乳と薬について知りたい方へというページで、わかりやすく薬について調べることが出来ます。
調べてもわからなかった場合は、予約は必要ですが、WEBで授乳中のお薬相談も出来るようです。
内服中、直接授乳を中断する時
色々調べたらところ、やっぱり授乳を中断した方が良さそうだ…となった場合ですが、
直接授乳を中止した場合、搾乳しなければ急激に母乳分泌が低下して、薬をやめた後に母乳育児の再開が難しくなることがあります。
そのため、一時的な内服であれば、搾母乳は破棄することになりますが、直接授乳が可能になるまで搾乳を継続することがおすすめです。
もし、薬の内服をきっかけに断乳しなければならない場合は、断乳後急激におっぱいが張ってくることが考えられます。
医師と相談して、母乳分泌を抑える薬を内服することも可能かもしれません。
また張ってきた時は、圧抜き程度に搾って分泌がおさまるのを待ちます。
- 乳房緊満(張り)が強くなり赤くなる
- しこりができる
- パンパンに固くなって痛みがある
- 熱が出る
…などの症状が見られれば乳腺炎の可能性がありますので、
出産した病院か、助産院に相談してみてください。
おわりに
本当はやめなくてもよかったのに、薬を飲むからと母乳をやめてしまうのはもったいないです。
正しい情報を得て、安心して授乳が続けられるといいなと思っています。
もし、内服を機に断乳しなければならない場合でも、それまでの授乳した時間は決して無駄になりません。
どんな形であっても、母と子にとって一番良い選択ができることを祈っています。
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