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さて、今日のテーマは「意見書」と「登園届」についてです!
保育園で働く保育士・看護師の方や、子どもが保育園に通っている方などは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
私は保育園で働き始めてから、初めて「意見書」と「登園届」の存在を知りました。
最近書類を見直す機会があり、改めて「意見書」と「登園届」について調べたので、
これらの内容や、根拠となるマニュアル等について共有していきたいと思います。
「意見書」と「登園届」って何?
簡単に説明すると、どちらも感染症にかかって、登園を再開するときに保育園に提出する書類です。
「意見書」は医師に記載してもらうもの、「登園届」は保護者が記載するものになっています。
詳しくは後ほど説明しますが、
「意見書」は「学校保健安全法」の第2種で定められている出席停止になる疾患(麻疹、風疹、インフルエンザ…等)で
「登園届」は集団感染を防ぐために出してもらうもので、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、ウイルス性胃腸炎などの疾患になります。
今は保育園、幼稚園、こども園など形態も様々ですし、市町村によっての考え方によってもこの書類が必要かどうかは変わってくるので、
- 「意見書」「登園届」がそれぞれ必要
- 「登園届」のみ必要
- どちらも必要ない
というように、園によって対応は様々になっているようです。
個人的には、提出することで、感染状況を把握しやすくなるという意味合いや、
保護者の方に提出してもらうことで他の人にうつす可能性のある感染症にかかっていたんだということを自覚してもらう意味もあるのかなと思います。
ひと手間かかる分、保護者の方には責任を持って再登園の判断をしていただきたいという気持ちです。
「保育所における感染症対策ガイドライン」の内容
保育所における感染症対策ガイドラインの内容を説明していきます!
添4 医師の意見書及び保護者の登園届
保育所では、感染症に罹患した子どもの体調ができるだけ速やかに回復するよう迅速かつ適切に対応するとともに、乳幼児が長時間にわたり集団で生活する保育所内で周囲への感染拡大を防止する観点から、学校保健安全法施行規則に規定する出席停止の期間の基準に準じて、あらかじめ登園のめやすを確認しておく必要があります。
まずは、感染拡大を防止するために、登園のめやすを確認しておくという内容が書かれていますね。
少し前に大流行した新型コロナウイルスやインフルエンザが出席停止になるというのは、知っている方も多いと思いますが、それ以外の疾患にも登園のめやすがあります。
まだしっかり治っていない時や、周りにうつしやすい時期に登園してしまうと、集団生活の保育園では一気に集団感染してしまいます。
それを防ぐためのルールということですね。
罹患した子どもが登園を再開する際の取扱いについては、子どもの負担や医療機関の状況も考慮して、各保育所において、市区町村の支援の下、地域の医療機関等と協議して、その取扱いを決めることが大切になります。
協議の結果、登園を再開する際には、疾患の種類に応じて、「意見書(医師が記入)」又は「登園届(保護者が記入)」を保護者から保育所に提出するという取扱いをすることが考えられます。
各保育所によって決めるという内容が書かれていますね。
市区町村の考えや、地域の医療機関の考え方も影響してきそうです。
そして、気になるのがこの文です。
なお、意見書及び登園届については、一律に作成・提出が必要となるものではありませんが、協議の結果、各保育所において、意見書及び登園届の作成・提出が必要となった場合には、事前に保護者に対して十分に周知することが重要です。
「一律に作成・提出が必要となるものではありません」と書かれていますね。
意見書と登園届はあくまでも必須ではない、ということのようです。
どう受け止めて、どういう対応をするのかは保育所による…ということになります。
「意見書」と「登園届」の例
少し説明が長くなりました。
実際に感染症対策ガイドラインの書式の例を見てみたいと思います。
「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」と「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」ですね。
「記入することが考えられる」というまどろっこしい言い回しに『あくまでも、強制ではないんだよ』という意思を感じます(笑)
他の市町村や、保育園でホームページに掲載している園などのものを見てみると、書式は様々で、
感染症対策ガイドラインのものをそのまま使用しているところもあれば、
新型コロナウイルスやインフルエンザは別書式で保護者の記載になっているもの、
意見書と登園届の疾患がすべて入った「登園届」で保護者の記載になっているもの
など、色々ありました!
「意見書」は受診が必要で、医療機関への負担もかかることから、「意見書」から新型コロナウイルスやインフルエンザを外したり、そもそも「意見書」自体を無くしている施設もあるのかなという印象は受けました。
企業主導型保育園では?
企業主導型保育園では「児童育成協会」のマニュアルに沿って運営が進められています。
児童育成協会では、1〜2年前までは「意見書」と「登園届」の提出を求めること、という書き方でしたが、
令和6年度からは少し方向が変わったようです。
令和6年度の監査の自主点検票の記載によると、
再登園時には、かかりつけ医とのやりとりを記載した書面等の提出などについて、保護者に理解と協力を求めていますか。
とあり、その説明に、
※「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」の「医師が意見書を記入することが考えられる感染症」「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」に該当する場合であっても、保護者がかかりつけ医と相談し、「意見書」「登園届」の作成は要しない旨を言い渡されている場合などは、そのかかりつけ医とのやりとりの記録を施設に提出することで足ります。
つまり、児童育成協会の考え方も「意見書と登園届が必須」から「やりとりを記載した書面」があればよい、
という考え方に変わってきているようです。
児童育成協会は、感染症について、あくまでも保護者の判断ではなく、医師の判断に基づいて登園が判断されていることを重視しているようです。
先ほども書きましたが、保護者が記入する登園届はまだしも、医師に記載してもらう意見書が必須というのは保護者として正直手間だと思います。
私も以前息子がコロナになったときに、治ってからでないと意見書は書けないと言われ、5日間療養した後、本当は登園できるはずの6日目にわざわざ受診して、書類を書いてもらった経験があり、
この手間減らせないのかな…と思っていたところでした(汗)
もし、「症状が軽減すれば◯日から登園可」などと医師に言われて、それを保護者が記載して提出する「登園届」のみで済むようになれば嬉しいなと思い、
今「医師とのやりとり」を記載する形で、これまでの意見書と登園届の疾患を含んだ、新たな登園届の改訂に取り組んでいるところです。
おわりに
意見書や登園届のことを調べると、必ず「通っている保育園に確認してください」というようなことが書いてあります。
なんで統一されていないんだろう?と思うと、ガイドライン自体が曖昧な書き方だからなんですよね。
曖昧というか、どうとでも解釈できるというか…。
どう受け止めるか難しいところもありますが、他の看護師や園長等と相談しながら、自分たちのやりやすい形の登園届を目指していきたいと思います。
間接的にではありますが、少しずつ書類等も整備していくことで、保護者や園児や医療機関の負担も減らして、少しでも保育園看護師としてお役に立てればいいなと思っているところです。
保育園の「当たり前」は、看護師にとって「当たり前」ではないこともあります。
これまでの風習なども含めて、「何のためにあるこか」と根拠をはっきりしながら、よりよい保育園にしていきたいと思います。
保育園看護師のみなさん、一緒に頑張っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
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