こんにちは、助産師あやかです!
今日は「保育士等キャリアアップ研修」についてお話しします。
保育士向けの制度ですが、保育園で働く看護師も受講して、キャリアアップを目指しています。
キャリアアップ研修の概要と、実際私が受講してみての感想についてお伝えしていきます!
キャリアアップ研修とは?
概要
厚生労働省の保育士キャリアアップ研修の概要(mhlw.go.jp)をもとにご説明していきます。
保育園では園長と主任以外の役職がなく、キャリアアップがしづらい、給料が上がらないという現状があり、
この研修を受けて、「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」という役職を設けることで処遇改善加算Ⅱが適応されて給料アップに繋がる…というものらしいです。
今は段階的に条件が引き上げられているところで、「副主任保育士」と「専門リーダー」は令和8年度までに4分野の修了が必須となっています。
「職務分野別リーダー」は令和6年度からの適応で、担当する1分野の受講が必須になっています。
対象は保育士だけでなく、栄養士、調理師、看護師なども該当します。
具体的な金額については、私自身把握できていないのでここでは説明を割愛させていただきます(汗)
受講することで給料アップに繋がるといいんですが…!
研修分野
研修分野は全部で8つあります。
- 乳児保育
- 幼児保育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- 保育実践
- マネジメント
8つのうち、7の「保育実践」は実戦経験の少ない保育士向けのもので、加算の対象にはならないようです。
研修の実施主体は都道府県または都道府県が委託した研修機関です。
研修修了は全国で有効だそうで、転職などする際にも経験値として引き継げるのがいいですね。
受講の方法
都道府県ごとにどこの研修機関に委託するかが決められているようで、私の住む山形県は「保育のデザイン研究所」さんの研修でした。
こちらの研修に設定されて都道府県も多いようでした。
申し込みは職場単位で、受講する分野は職場で指定されていました。(他の職員と被らないように設定されていたようです。)
私の職場では正社員は全員必須で、パートの先生は任意での受講でした。(受講が必須かどうかなどは職場によるところも多いと思います。)
山形県の2023年度は9月〜11月末までの期間で受講とレポート提出で、1項目15〜16時間になっていて、オンデマンドまたは対面の研修で2日間受講でした。
私はオンデマンドで、自宅で受講しました。子どもが寝てから、1日1コマずつ地道に進めていきました。
1コマ30分前後で、講義の途中に数分の「ワーク」があり、自分で考えたり調べたりする時間が数分設けられているという感じでした。
「保健衛生・安全対策」の内容
保育園看護師だと、まずは「保健衛生・安全対策」の分野が一番最初に求められるのではないかと思います。
私も今年受講した「保健衛生・安全対策」の分野について、内容を紹介します。
以下厚労省のガイドラインを引用します。
ねらい
- 保健衛生に関する理解を深め、適切に保健計画の作成と活用ができる力を養う。
- 安全対策に関する理解を深め、適切な対策を講じることができる力を養う。
- 他の保育士等に保健衛生・安全対策に関する適切な助言及び指導ができるよう、実践的な能力を身に付ける。
内容
- 保健計画の作成と活用
- 事故防止及び健康安全管理
- 保育所における感染症対策ガイドライン
- 保育の場において血液を介して感染する
- 病気を防止するためのガイドライン
- 教育・保育施設等における事故防止及び
- 事故発生時の対応のためのガイドライン
受講してみての感想
実際、私が受講してみての感想です。
保健衛生
前半の保健衛生では、「感染とは何か…」「ウイルスとは…」など感染症のことは看護師の知識として基本的に知っていることも多く、再確認という感じでした。
保育園での身体測定の記録や方法は、働く前に知っておきたい内容だったなと思いました。
子どもの健康についての話では、現代の子どもの特徴(運動能力が昔より下がっていることなど)や食生活や睡眠の問題など興味深く聞いた話もありました。
安全対策
後半、半分以上を占めたのが、安全と事故防止の話です。
病院やクリニックでも、医療事故防止のことを学んだり、インシデントレポートを書いた経験はありましたが、保育現場での事故防止はまた内容が違います。
安全とは?リスクとは?とじっくり考えるいい機会になりました。
特に印象的だったのは、リスクとリターンの話です。
リスクとリターンは表裏一体で、大きなリターンを得るためには大きなリスクを伴うということ。
リスクばかり恐れて、リターンを見ないのも問題。
リターン(いい面)ばかり見て、リスクを考えず、こんな事故が起こると思わなかった…となるのも問題、という話でした。
最近はプールでの事故も多いですが、それを恐れて水遊び全てやめます!となれば、確かに水の事故は起こらないですが、その分水遊びやプールを通して得られるはずだった経験が得られなくなってしまいます。
もし園庭に野菜を植えれば、野菜の成長を見たり、収穫の楽しさは感じられますが、園庭で遊んでいる時にミニトマトなどで窒息するリスクも伴います。
本当に極端な話、「子どもが転ばないようにするためにはずっと椅子に座らせればいいんです。絶対転びませんから。」
という話もありました。
…確かにそうですよね。
でも、それは保育じゃないですよね。リスクもない分、リターンもないです。
どんな活動をするにも、絶対安全ということはなくて、そのリスクの部分をしっかり認識して気をつけることが1番の事故防止なのだと学びました。
そして事故防止の視点を取り入れながら、どうしたらより良い保育ができるか考えていくことが大切なのだと知りました。
おわりに
最初はオンデマンドで15時間かぁ…長いなぁ…と思っていた研修でしたが、事故防止や安全のことなど新たな視点を得ることができて、有意義な研修でした。
もう一人の同僚看護師は、昨年「保健衛生・安全対策」分野を受講して、今年は「障害児保育」を受講していました。
学んだことを情報共有していたのですが、いろいろ考えさせられる内容も多く、すごく刺激になったようでした。
看護師だから保健衛生のことだけ知っていればよい、というのではなく、幅広く子どもとの関わりについて学んでいけたらいいなと思っています。
保育士だけでなく、看護師も受講する可能性のあるキャリアアップ研修。今後受ける方もいるかと思いますが、学ぶ姿勢を持ち続けて積極的に受講していきましょう!
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