助産師*あやかです!BFH(赤ちゃんにやさしい病院)で働いてきて、1歳8ヶ月の今も母乳育児継続中です⭐︎
⇨自己紹介はこちら
母乳はミルクと違い、飲めている量がわからないので不安になることもあると思います。
産後の入院中は哺乳量測定をして飲めている量を数字で見ることができますが、退院後はそれができません。
授乳してすぐ泣くと、足りないんじゃないか?本当に飲めているのかな?と心配になることもあると思います。
今回は、母乳が足りているかわからないと不安な方に向けて、「母乳の飲めているサインと足りているサイン」について説明したいと思います。
☑ 母乳育児をしていて、母乳が足りているか不安な方
☑ 赤ちゃんの母乳の量がわからない方
☑ 赤ちゃんのサインを見て母乳が足りているか確認したいと思っている方
私自身ずーっと頻回授乳で、足りているかどうか知識はあってもずっと不安に思っていました。
赤ちゃんのサイン、ママのサインで数字にとらわれずに母乳が足りているかどうか確認できて安心できる人が1人でも増えたらいいなと願ってこの記事を書きました。
赤ちゃんの飲めているサイン
24時間以内に8回は母乳を飲む
回数はあくまでも目安ではありますが、特に母乳が軌道に乗ってくるまでは、1日8回以上は飲ませた方がいいです。
母乳は赤ちゃんに吸われる刺激で作られます。
そのため、授乳の間隔が開きすぎると「もう母乳作らなくていいのかな?」とおっぱいは作る量が減ってしまいます。
作った分をしっかり赤ちゃんに飲みとってもらう、ということが分泌を維持するために大切です。
そのため、なるべく3時間以上(夜間は4時間)は開かないようにしていきましょう。
唇が外向きに広がり、大きく口を開いて飲んでいる
赤ちゃんの下唇が巻き込んでいたり、口が小さいと飲んだ時の刺激が少なくおっぱいをしっかり飲めません。
下唇を巻き込んでしまっている時は、ペロンと下あごのところに触れて外側に出してあげてください。
乳輪の色の付いている部分が、すっぽり赤ちゃんの口に入るくらいが目安です。
浅い時は、深くくわえられるまでやり直してみましょう。
母乳が出てくると、ゆっくりしたリズムで吸い、コクンコクンと飲み込む音が聞こえることがある
赤ちゃんのおっぱいを吸うリズムを意識したことはありますか?
最初はおっぱいがすぐ出ないので、刺激のためにチュクチュクチュクチュク…と早めのリズムで吸います。
おっぱいが出るようになってくると、吸い方がゆっくりになり、コクンコクンと飲む音が聞こえることもあります。
分泌がひと段落してゆっくりになってくると、そのタイミングで赤ちゃんは口を離したり、反対側を欲しがったりします。
赤ちゃんはおっぱいが出ているかどうかがちゃんとわかっているんです。
分泌の状態に合わせて吸い方を変えているなんて、びっくりですよね!
時間で反対側!と変えなくて良いので、赤ちゃんの様子を見ながら授乳してみてくださいね。
赤ちゃんの下あごがしっかりおっぱいに触れている
赤ちゃんの下あごはおっぱいに触れていますか?
下あごがおっぱいから離れている場合は、吸い方が浅くなっています。
吸わせる時に、赤ちゃんの鼻と乳首の高さが同じ位置に来るように調整すると、下あごがしっかりくっつくようになります。
ちょっと反り気味(大人がゴクゴク飲み物を飲むような角度のイメージ)で飲ませるといいかなと思います。
ママ側の飲めているサイン
リラックスして授乳出来て、乳頭の痛みがない
授乳の最初のうちは乳頭に傷ができてしまうこともあり、どうしても傷が出来ると痛みがあることがあります。
でも本当は、痛みはないのが理想です。
赤ちゃんがしっかり深く吸えると、乳頭の先が「軟口蓋」という上あごの奥の軟らかい部分にあたり、痛みはありません。
浅くなってしまうことで、上あごに当たって傷になってしまうので、深く吸わせることがとにかく大事です!!
乳首に傷が出来てしまった時はリペア二プルなどで保湿して治しましょう。
また、姿勢も慣れないうちは肩に力が入ってしまうことがあります。
なるべく力を抜いて、手や首にも負担がかからないようにクッションなどで上手く高さを調節しましょう。
赤ちゃんの目と目を見ながら授乳出来る…というのは理想ですが、
なかなか姿勢も辛いので無理のない範囲で赤ちゃんとスキンシップしながら授乳できるといいですね。
産後数日以内では授乳したときに、キューっと子宮収縮するのを感じる
授乳することで、子宮を収縮させる「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
それによって、産後数日の子宮が元に戻る時期だと、キューっとした収縮を感じることがあります。
(キューっとした感じを感じられなくても、子宮収縮や悪露の量が問題なければ大丈夫です。)
オキシトシンには親子の愛着関係を深めたり、幸せホルモンのセロトニンを活性化させたりする効果もあるので、
授乳すると母子共に良いことがたくさんありますよ!
授乳が大変な時もあると思いますが、逆に授乳が育児の疲れを癒してくれる効果もあるんです。
授乳後、乳頭がつぶれたり傷ついたりしていない
授乳の後の乳頭の形を見てみてください。
つぶれたり、傷ついたりしている時は赤ちゃんの吸い方が浅いサインです。
しっかり深く吸えているか、確認してみましょう。
乳頭がいびつになっている時は、どっちの方向に潰れているのかを観察できると、授乳の時の赤ちゃんの位置の調節に役立ちます。
赤ちゃんの体重や排泄状況
出生~生後5日目まで
出生直後の入院中は、病院で赤ちゃんの状態を見てもらえるので参考までにですが、
生後0~1日目⇒体重減少が5%以内、24時間以内に1回以上排便がある
生後2日目⇒体重減少が7%以内、24~48時間に2回以上の排便がある
生後3日目⇒体重減少がとどまるようになる、薄い尿が1日6回以上出るようになる
生後4日目⇒体重が増加している、便はつぶつぶが混じった黄色になる(マスタードのような母乳便)
生後5日目以降⇒1日に20~30g体重が増える、活気があり、筋緊張が良い(手足にしっかり力が入り、だらーんとしていない)
…というのが目安になっています。
このように、生後5日目までは毎日目安が違っています!
それくらい赤ちゃんの観察は慎重に行わなければならないということですね。
赤ちゃんは生理的体重減少といって、生まれてからはうんちやおしっこがたくさん出て、飲む量は少ないので体重が減っていきます。
10%弱減るので、3000gで生まれると2700gくらいまで減るイメージです。
生後2~3日目までは減って、生後4日目から増加傾向になってくれば大丈夫です。
病院では赤ちゃんの毎日の体重の様子を見て、このまま母乳でいいのかミルクの補足が必要なのかを相談していきます。
生後5日目以降
退院後からの目安としては、
- おしっこが1日6回以上
- 活気があって、筋緊張が良い
- 体重が1日20~30g増えている
…という目安になります。
赤ちゃんは生理的体重減少で減った体重は、生後2週までに生まれた体重まで戻ります。
今は2週間健診という形で、生後2週間頃に赤ちゃんの体重や全身状態を確認してもらえることが多いです。
家では赤ちゃんのわずかな体重の変化を測ることは出来ないので、
「1日6回以上しっかりおしっこが出ているか」「普段通りの元気があるか」というのを目安にして、1か月健診で体重がしっかり増えているか確認してもらいましょう。
おしっこの回数が少ない、ぐったりしている、日に日に肌が黄色くなっている(黄疸)ということが気になる場合は、健診を待たずに出産した施設に相談してみてください。
家では大人の体重計で「赤ちゃんと大人が一緒に測る→大人だけ測る」で引き算して、大体の赤ちゃんの体重を測ることは出来ます。
(我が家は100g単位、かつ誤差ありなので本当にざっくりですが。)
どうしても心配な方は、1gまたは5g単位で測れるベビースケールのレンタルという選択肢もあります。
かさばるので、必要な時期だけレンタルするというのもありかもしれません。
(私も哺乳量知りたい…とずっと思ってましたがベビースケールのちゃんとしたものは1万円以上して買うのを諦めました。レンタルなんて選択肢があることを後で知りました。)
赤ちゃんの哺乳量
離乳食が始まるまでの、赤ちゃんの哺乳量の目安は、体重1kgあたり150mlと言われています。
例えば、3kgの赤ちゃんであれば450mlです。
それを1日8回飲むなら450÷8=56mlで1回の目安は50〜60mlということになります。
母乳が1回40mlでも1日12回飲めれば足りるということですね。
ミルクに比べると母乳は1回の量が少なく頻回になりやすいですが、トータルの飲めてる量が足りていれば問題ないです。
混合の場合は、病院で母乳が飲めている量がわかれば、足りない分をミルクで補う形になります。
または、赤ちゃんの体重の増え具合を見ながら、1日20〜30gの体重増加になるように補足量を調整していきます。
赤ちゃんの体重が気になる時は、市の施設で測ってもらえる場所があったり、
イオンなどの授乳室に体重計が置いてあることがあるので、活用してみてくださいね!
東根市では、タントクルセンターの「ゆうぎしつ」で身長や体重を測ってもらえます。⇨レビューはこちら
その他、天童のげんキッズにも体重計がありましたよ!⇨レビューはこちら
おわりに
ずっと吸っているけど、おっぱい出ていないのかな?と心配になることもあるかもしれません。
まずは、おしっこの回数、赤ちゃんが普段通り元気かどうか、体重の増減はどうかを確認してみてくださいね。
今回の目安を元に、飲めているから大丈夫だ!と自信をもって、楽しく授乳してもらえたら嬉しいです。
その他の母乳育児の記事はこちら↓
コメント