こんにちは、助産師あやかです。
私は企業主導型保育園の病児・病後児保育に関わっています。
以前の記事でも保育園看護師の仕事の内容はさまざまだということをお話ししましたが、
今回は看護師の目線で、企業主導型保育園とは何なのか、病児保育事業でどんな立ち位置にいるのか、ということついてお伝えしていこうと思います。
ちなみに、病児保育事業には、①病児保育、②病後児保育、③体調不良児保育の3つが含まれます。
ちょっとマニアックな話になりますが、企業主導型保育園での看護師の働き方について気になっている方の参考になれば嬉しいです。
企業主導型保育園とは?
企業主導型保育事業は、平成28年度に内閣府が開始した企業向けの助成制度です。企業が従業員の働き方に応じた柔軟な保育サービスを提供するために設置する保育施設や、地域の企業が共同で設置・利用する保育施設に対し、施設の整備費及び運営費の助成を行います。
内閣府
企業主導型保育園は児童育成協会が実施主体になっています。
企業の職員向けの保育園で、自社の職員の出産後の復帰をしやすくするなどのメリットがあります。また、50%以内で地域の子どもの受け入れも可能です。
認可外保育園の扱いにはなりますが、認可施設と同程度の補助金を受けられるというメリットがあります。
私の職場の保育園でも、半分程度は自社枠や共同利用契約をしている他の企業の子どもを預かっており、残り半分程度は地域の子どもを受け入れしています。
入園基準は施設独自なので、自社枠や共同利用枠の子どもを優先にして残りの枠を地域の入園希望者の中から決めています。
(決めるのは園長等なので、基準はわかりませんが。)
私も自分の子どもを同じ保育園に預けていますが、入職と入園がセットで決まったという感じでした。面接に行って、いつから預ける?いつから働ける?という相談になり、いわゆる保活のようなことは何もしていません。
その時、ちょうど自社枠が空いていて、子どもを預けてもらえるのも嬉しい!看護師さんが来てくれるのも嬉しい!とウェルカムで、あっという間に就職が決まりました。
2歳までがメインの保育園なので、また3歳児に上がる頃転園しなければなりませんが、0歳児の途中入園で保活なしで入園できるなんてありがたい限りでした。
病児・病後児保育
病児・病後児保育については以下のように定められています。
地域の病児・病後児について、病院・保育所等に付設された専用スペース等において看護師等が一時的に保育する事業。
内閣府
発熱やその他の感染症などその施設の基準を満たした子を受け入れる病児保育、熱は下がったけど普通に保育園に行くにはちょっと不安というような時の病後児保育があります。
病児・病後児保育では、看護を担当する看護師等を利用児童おおむね10人につき1名以上、保育士を利用児童おおむね3人につき1名以上配置することが必要です。
その中で、企業主導型保育園では、病児保育、病後児保育それぞれにおいて専任看護師1名、専任保育士1名が必要だと児童育成協会により定められています。
それらの条件が整っていれば、月ごとに病児・病後児保育の基本の補助金がもらえます。
受け入れがあってもなくても、「看護師と保育士が常勤で1名配置されていること」が補助金をもらう条件になっていて、厳密にいえば95%以上出勤していることが必要です。
(有給休暇や看護休暇などは大丈夫ですが、欠勤が5%⇒約1~2日超えるとその月は補助金がもらえなくなってしまいます。)
常勤ではない場合は、パートの保育士や看護師2人で時間を計算し、基準を満たしていれば大丈夫なのだそうです。
そのため、病児・病後児保育で子どもの保育・看護をすることはもちろん大切ですが、まずは「常勤でなるべく休まずに出勤すること」が保育園への貢献になっています。
(前の園長からは「看護師さんはいてくれるだけでいいんだ!!!」と口癖のように言われており、最初は意味が分からなかったんですが、こういう仕組みがあるとわかって納得しました。)
また、利用者が50人以上、100人以上など一定数を超えると追加の補助金をもらえるので、利用者数が増えるように広報活動などをしています。
体調不良児保育
体調不良児保育は、以下のように定められています。
保育中の体調不良児について、一時的に預かるほか、保育所入所児に対する保健的な対応や地域の子育て家庭や妊産婦等に対する相談支援を実施する事業。
内閣府
保育中に発熱したり、具合が悪くなった時に、保護者の迎えを待つ間看護師が対応するというものです。
体調不良児保育は看護師1名以上で実施でき、看護師1名あたり2人程度の受け入れが可能です。
こちらも、病児・病後児保育と同じように「看護師が常勤で1名配置されていること」(常勤で95%以上出勤していること)が補助金の条件になっているようです。
体調不良児保育では、利用者が増えても追加の補助金はないので、看護師がいて受け入れをしているということが大切になります。
保育園に看護師が必要!!
詳しい基準や決まりなどは児童育成協会のマニュアルに細かく書かれていて、書ききれないくらいあるので、割愛しますが…
簡単に言うと、「病児保育」「病後児保育」「体調不良児保育」の3つをするためには看護師が常勤で3名、保育士が2名必要だということです!
私の知っている限りでは、企業主導型保育園は0.1.2歳児がメインの小規模の保育園が多いため、
もしそこで3事業するのであれば、そこに看護師3名、保育士2名が専任で働いているというのはすごく充実しているなという印象です。
保育園、こども園などで「みなし保育士」として働く看護師もいますが、企業主導型保育園の場合はどちらかというと「専任看護師」という働き方が多いのではないかなと思います。
まだまだ人手不足で、子育て中の看護師さんなどにとって夜勤のない看護職は貴重だと思うのですが、保育業界は賃金水準が低めなので、そこが人材確保の問題でしょうか…。
補助金、補助金…とお金の話も書きましたが、企業主導型保育園ではしっかり園児を確保して、しっかり補助金をもらっていかないと運営が大変のようです。
看護師の仕事内容
私は常勤で病児・病後児保育の「専任看護師」をしています。
そのため、病児・病後児保育の利用がある日は、子どもの保育・看護がメインになります。
利用がない日は、園児の体調管理やケガの手当、おもちゃの消毒、そうじの手伝い、製作など何でもやさんになります。
おわりに
保育園看護師の働き方にも色々あります。
私は自分がどんなことをするのかもよくわからないまま、「子どもと同じ保育園で働けるなんてラッキー」という感じで就職を決めてしまったんですが、
周りの保育園看護師さんの話を聞くと、職場によって仕事内容が全然違うんだなとびっくりすることがあります。
せっかく保育園看護師になったのに、思っていたのと違った…ということのないように、
あくまで一例ですが「企業主導型保育園」の保育園看護師の立ち位置について知っていただければなと思って書きました。
企業主導型保育園ってどういう感じなんだろう?病児・病後児保育ってどんな感じ?と気になっている方の参考になれば嬉しいです。
他に質問などあれば、Instagramなどでも気軽にDMやコメントくださいね。
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