子育てしていると、子どもの発熱に出会わない人はいないと思います。
私はあまり風邪もひかないタイプで、寝てれば治ると思っていたので、いざ子どもが熱を出すと「えーっと…どう看病したらいいんだっけ??」と困っていました。
看護師でも、自分の子どものケアとなると知識不足を痛感します…(汗)
今回は初めての育児の人でもこれだけは知っておきたい、子どもの発熱の対応についてまとめました!
子どもの病気に対応する保育園看護師さんにもおすすめです!
☑ 赤ちゃん~小さいお子さんを育児中の方
☑ 保育園看護師など子どもの病気に対応する機会がある方
☑ 熱が上がるとき、上がり切ったときどう対応していいかわからない方
発熱の原因
子どもの発熱は様々な原因で起こります。赤ちゃんのうちは、胎児のころにもらった免疫で守られているため、生後6ヶ月を過ぎてから熱を出す子が増えてきます。
また、保育園に通い始めると、「保育園の洗礼」でいろんな病気をもらってきてしょっちゅう熱を出すということもあるかもしれません。
発熱の原因は、はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケアのこの表がわかりやすかったです。
風邪や突発性発疹、インフルエンザなどの他にもいろんな原因で熱が出ることがわかりますね。
ここにはないですが、感染性胃腸炎でも熱が出ることがあります。
(息子も保育園通い始めて半年ちょっと、毎月のように熱を出しています…。)
発熱は「免疫機構が病原体と闘っているサイン」になります。日内変動があるので、朝は下がっても夕方から夜にまた上がってくることもあります。
子どもが熱を出すとどうしよう!と焦ってしまう気持ちもありますが、熱が何度まで上がったから大変だ!すぐ下げないと!と考える必要はないんです。
気を付けたいのは、熱そのものではなく「発熱による食欲低下⇒水分もとれない⇒脱水」とぐったりしてきてしまうことや、熱に伴う他の症状(嘔吐や発疹など)です。
また、熱が上がってくるときに「熱性けいれん」が起こることもあり心配です。そういうこともあると知っておきましょう。
対応とケアについて
熱の上がり始め、上がり切ったとき、熱が下がってきたときの3つの段階にわけて説明していきます。
熱の上がり始め
寒気・手足が冷たい⇒温めてあげましょう。
熱が上がる前に寒気がする…というのは経験したことがある人も多いと思います。
身体がウイルスなどと闘うために、代謝を上げて熱を上げていきます。血管を収縮させて、身体を小刻みに震わせることで熱を作ります。
子どものことになると、かわいそうだから熱を出さない方がいい…と思ってしまいますが、しっかり熱を出すというのも大事なことです。
うまく熱を出せないとぐずぐずと微熱が続いてしまうこともあり、しっかり熱を上げて、しっかり汗をかくことが大切なんです。
熱が上がっている間、手足が冷たい場合はまだ熱が上がる可能性があります。
手足が冷えている時は布団などで温めてあげましょう。
熱が上がり切った
顔が赤い・手足が熱い⇒(気持ちよさそうなら)冷やしてあげましょう。
脱水予防のケアが大事!
汗をかいたら、拭き取って着替えを。
必要な熱が出せると、一気に汗をかき、老廃物を排出していきます。
この時期に大切なのは、水分補給と休息です。
たくさん汗をかくので、こまめに水分補給をしましょう。授乳中の方は母乳やミルクを飲ませましょう。発熱時の脱水予防には経口補水液もおすすめです。
経口補水液は大人用のOS-1でもいいですが飲みにくいこともあるので、子ども用のアクアライトなどを常備しておくと安心ですね。
(私も冷蔵庫に1本アクアライトを入れていたんですが、夜中急に発熱したときに使えて安心でした。)
食欲がない場合は無理せず、消化の良いおかゆや果物など、食べたがるものをあげましょう。
また、顔が赤くなって、手足が熱くなったら、熱がこもらないように薄着にしてあげましょう。熱が高く嫌がらなければ、首の付け根やわきの下、足の付け根など太い血管のあるところを冷やしてあげましょう。
お風呂に入るのは体力を使うので、熱がある間は温かいタオルで体を拭いて着替えをする程度で済ませましょう。
熱が下がってきた
熱が下がっても2~3日は安静に。
熱は下がってもぶり返すことがあるので、丸1日平熱に戻るまでは室内で安静に過ごしましょう。
(ちなみに保育園の基準は解熱後24時間経過してからになります。)
元気になってくると子どもは遊びたくてしょうがなくなります。
でも、その治りかけの時期はすごく大事で、ぐっと我慢させることでしっかり回復することができます。
とはいえ、元気になってきた息子をいかに家の中に留めておくか…というのは毎度苦労しています(汗)
解熱後半日足らずで外遊びさせてるのはこの私です…反省。本当は室内で過ごすのが理想ですよ…!!
観察・注意点
熱があるときに気を付けたいのは、他の症状があるかどうかです。
咳・下痢・吐き気などの症状がないか、みてみましょう。
耳をよく触る時は中耳炎の可能性もあります。
高熱でも機嫌がいい場合は、突発性発疹の可能性もあります。(高熱が3~4日続いた後、解熱後に全身に発疹が出てきます。)
受診の目安
しばらく様子をみてよい
熱があるけど元気…という場合はおうちで様子をみて大丈夫です。
心配な場合は診療時間内に病院を受診しましょう。
私も最初のうちは、熱が出るとあわてて病院に行っていたんですが、熱が出てすぐ受診しても検査できないんですよね。
「(医師)いつ熱出たの?」
「(私)今日の朝です!」
「(医師)そりゃあ早すぎるなぁ…。検査してもなあ…。」
と言われたこともありました。
病気によりますが検査しても、症状が出てから12時間後でないと結果が出ないというものもあるので、結局原因もわからず「熱が下がらなかったらまた来てね」で終わってしまう可能性もあります。
急いで受診する理由がない場合は、まずはおうちでゆっくり休ませましょう。
かかりつけ医を受診
急に熱が上がった場合や、咳や嘔吐など他の症状もある場合、熱が続いている場合はかかりつけ医を受診しましょう。
また、受診後も熱が続いている場合や、発疹が出てきた場合も受診すると安心です。
すぐに病院受診が必要な場合
生後3カ月未満の発熱は心配なのですぐに病院にいきましょう。
意識障害(呼びかけに反応がない)、呼吸困難、強い頭痛や腹痛、けいれんの時は救急受診が必要です。
対応に迷う時は、「#8000」の電話相談もできます。
意識がない、熱性けいれんなどの場合は、救急車を呼びましょう。
解熱剤は必要?
解熱剤は病気を治すために使うのではありません!解熱剤は一時的に熱を下げるだけです。
じゃあ何のために使うのかというと…
一時的に熱を下げることで、その間に水分をとって脱水を予防し、睡眠をとり体力を温存するために使います。
そのため、熱があっても機嫌がいい、水分が取れる、薬が内服できる、眠れている…という状況であれば解熱剤を使用する必要はありません。
38.5℃以上で、不機嫌、水分が取れない、薬が内服できない、眠れない…などの場合は解熱剤の使用の目安になります。
必ず、医師の指示通りに使いましょう。
坐薬は冷所保存の場合が多いと思うので、保管方法には気を付けましょうね。
おわりに
病気になると、病院連れて行かないと…薬もらわないと…と思ってしまいますが、結局病気を治すのはその子の身体の免疫です。
薬も万能ではなく、その子自身の免疫で病気を治すのを助ける役割になります。
まずは、身体の回復力を高められるように、水分補給や睡眠をとれるようにケアするのが一番だなと感じています。(必要に応じて病院を受診することももちろん大切です。)
子どもの看病をする際にも、その熱を出す体力を見つめて「こんなに熱が出るなんて元気な証拠だよ」ということばがけをしたり、いろいろなものを排泄しているときに「こうやってからだは大掃除しているんだよ」ということばかけをしたりするように、同じ現象でも見方が変われば、認め方も変わります。
そしてその大人の「病気に対する認め方、捉え方」こそが、子どもの潜在意識にはフッと入っていくのです。
整体的子育て2 わが子にできる手当て
最近読んだこの一節が印象的でした。
子どもの病気にハラハラしてしまう気持ちもありますが、こういう形でも子どものことを認めて関わってあげられたらいいなと思っています。
子どもの病気は、看病する大人も大変ですが、それも成長のためには必要な経験です。休める時に休みながら、大人自身の身体も労わってくださいね。
参考:はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア かかりやすい病気、予防接種、薬から視力、歯並び、性 (実用No.1) [ 主婦の友社 ]
病児・病後児保育における保育士・看護師等のためのハンドブック
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